今なぜ“まち”なのか

引き続き、書く書く。

答えの無い問いを考え続けることほど、無駄でステキなことはない。

 

ここ2年ほど、“まち”について考えている。
長崎に住んで3年めくらいから、「この街はこんな良い街なのに、まだまだ活かしきれてないものがたくさんある。何かしたい。」と思うようになった。

街のシンボル的な場所の周辺が、ただのコインパーキングになる。
街のデパートが、皆の家族の思い出がつまった場所が、取り壊される。
かわいらしいおじいちゃんが立っていたお店に、張り紙が出る。シャッターは二度と開かない。

そんなことに慣れっこになっていく自分と、どうにかしなくてはいけない、という自分とがいた。

 

最近、“まち”について目にする機会が増えた、と感じる。
ただ、その目にするものが、つながっているのか、いないのか。
答えは出てない。
とりあえず、フセンのように記憶の中にもブログの中にも貼りつけておこうと思う。
いつかバババッとつながって、グルーピングできる時がくると良い。

なぜ今“まち”なのか…。

 

くくりは“都道府県”より小さくなっていく

ガイアの夜明け「目立たぬ"ご当地"をブランドに!」
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber3/preview_20131203.html

-------------放送概要抜粋--------------
都道府県のアンテナショップを覗くと、様々な特産品が並んでいる。しかし、それらは各県を代表する"有名な"ものばかり。市町村にまで目をやれば、全国各地に埋もれている特産品はまだまだある。そうした特産品を掘り起こし、"町や村そのもの"をブランド化しようという動きが始まっている。人口減少と若者の都市部への流出で、過疎化と経済の衰退が進む地方。ブランド化することで、地名を宣伝し、特産品の販売につなげる。地方を活性化する新たな手法を取材する。
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この番組で印象的だったのは、アンテナショップのお話。
「“北海道”だけでは、もうブランドにならない、“北海道の●●町”でないと」と。

そういえば、「いまや“沖縄”よりも“石垣島”だ」というお話も同時期に聞いたなぁ。
なぜ小さくなっていくのか。
漠然とした良いイメージよりも顔が想像できるくらいの良いイメージに私たちは惹かれるのだろうか。

磁場は“まち”にある?

先ほどブログに書いた山本聖さんは、百貨店を辞めて、地域活性化のお仕事へ。多くの地域で活躍中。
ブック・コーディネイター内沼さんは、本にまつわる様々なプロジェクトをいろんな場所でされてきたが、2012年下北沢で本屋「B&B」を開店。
最近ではマルイや東武百貨店などの商業施設のイメージも強くなってきたマザーハウスは、昨年谷中銀座へ出店。
TSUTAYAは、元々ロードサイドへの単独出店も多かったが、今回“代官山”“函館”という街をわざわざ選んで出店。
元々超有名な“丸の内”は、最近ますます“丸の内”を前に前に押し出している(ように見える)。 
*関係ないし古いけど、コレ好きです⇒http://www.marunouchi.com/feature_jp/message2013/

時期はバラバラ。理由も様々。
私が無理矢理くっつけたがっているだけかもしれない。

それでも。
“まち”に何かあるのだと思わずにはいられない。
ヒトが“まち”に帰ってきたのだと思わずにはいられない。
磁場は、ハコの中ではなく、まちにあるのか。

百貨店の名前で売る時代は終わったのか。
お店を出すにも文脈が必要なのか。ストーリー消費と関係あるのか。
文脈を持つハコは無いのか。

 

ヒトを育てる

以前もブログに書いたことがあるが、この言葉が好きだ。
どうやら糸井さんのコトバらしい。
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「魚を飼うということは、水を飼うということである」。
とにかく、健康な水をキープできていれば、魚は元気に生き続ける。魚を飼っている、なんて思わないほうがいい。水を飼っていると考えたほうがうまくいく。
あなたのいる環境は、元気ですか?
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人を育てることは、まちを育てるということ。
まちを育てることは、人を育てるということ。

昨日読んだ本『文化の樹を植える。「函館蔦屋書店」という冒険』に梓設計の方の言葉が載っていた(この本の題名も、こちらの発想から取ったものだそう)。

「(函館蔦屋書店が文化の広場となるために)Cultur TreeというDENを建物内部に設置する。言いかえれば植樹していくということ。・・・(DENは)人々が集い、談笑したり読書したりと、思い思いに過ごせる暖かい場所。」

TSUTAYAを展開するCCCは、代官山蔦屋書店や函館蔦屋書店をつくる時に“代官山”“函館”の文脈や価値に乗っかっただけという見方も聞いたことがあるが、そうではなくて、その流れをくみつつ時代が求めているものをさらに追加していくのだろう。
そうして、代官山というまち、函館というまちを、育てていくのだ。

 

まちのビジネスに注目?

THE BRIDGE 「LINEはローカルビジネスの救世主となるかーー新たなコミュニケーションツールを用いた地方商店街の取り組み」
http://thebridge.jp/2013/07/can-line-save-the-local-business

頓智ドット プレスリリース 「スマートフォンを使ったO2O活用で地域商店街の活性化を支援開始」
http://www.tonchidot.com/ja/pressroom/articles/release20131107/

 

LINEは友達同士で楽しくメッセージ送りあったり無料通話ができちゃうサービス。
tabは「行ってみたい」を集めたみんなのMy雑誌がつくれ、行き忘れのないように通知までしてくれるサービス。

どちらも、一見ローカルビジネスには関係ないサービスのように思う。
(tabは当初は“まちの再発見”“地域活性化”ということも全面に出していたので、ど真ん中ではあるのだけれど、今の実際の使われ方とは直接関係ないよねっていう意味で。)

また、どちらもすでに大手企業・大手商業施設と組んでサービス展開している。
それだけでも、やっていけるはず。
なのに、どちらも、“まち”のビジネスにも注目している。

 

今なぜ“まち”なのか…。
考えたい。